田舎のご近所付き合いって実際どうなの?|田舎に移住した10人に聞く!


「ご近所付き合い」
これ、田舎暮らしにあたってもっとも重要なキーワードのうちの一つですよね。
 
都会では、アパートのお隣さんの顔もよく知らない、なんてことは普通ですが、田舎では・・・
関係が濃密なだけに、面倒なことやトラブルもあるという噂、きっとみなさんもテレビや雑誌などで聞いたり見たりしているはず。
 
ご近所さんが突然がらっと玄関を開けて入ってくる!
とか
身に覚えのない噂が村中に広まっていた!
とか。。
 
そこで今回は、田舎暮らしで必ず直面する「ご近所付き合い」について、実際に田舎暮らしをしている10人にインタビュー。
「田舎でのご近所付き合い、実際どうなの?」
という質問と
「ご近所付き合いを上手にこなすコツ」
を教えてもらいました。
 
田舎暮らしを検討しているみなさん、ぜひ参考にしてみてください!
 
というわけで移住者のリアルボイス、じっくりご覧ください!!

「仕事に疲れたら気分転換に集落を一周」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|赤星賢太郎ポートレート

赤星賢太郎さん
移住元→先

岡山市→岡山県美作市

移住年月

2012年5月

移住したときの家族構成

独身(24歳)

移住前のお仕事

ウェブデザイナー(東京でウェブプロダクション勤務)

移住後のお仕事

ウェブデザイナー(独立)、DTP、映像制作、美作市地域おこし協力隊

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

とくに問題なく、順調です。
パソコンでの仕事が多いので、疲れたら気分転換に集落を一周するんです。
そうするとだれかしらご近所さんに遭遇するので、いろいろお話ししたり、野菜をいただいたり、お茶会に誘われたり。
詩吟の会に誘われたこともあります。笑

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

お誘いはなるべく断らず、顔を出すようにしています。
そこで近況をいろいろお話ししていると、こちらの忙しさや大変さも理解してもらえますから。
 
それと野菜をもらったりしたら、何かの機会にお土産を買って帰ったり、こちらのできることで多少のお返しをするようにしています。
 
そういう定期的なコミュニケーションは大切ですね。
ただ、わからないことはわからないので、地域のディープな部分というか、そういうのには立ち入りすぎないようにしています。

「日々のさりげない交流が大切」

田舎への移住を決意した理由は?|田舎移住者10人に聞く!|小野留理花ポートレート

小野留理花さん
移住元→先

東京都豊島区→岡山県美作市

移住した年月

2013年9月

移住したときの家族構成

独身(26歳)

移住前のお仕事

ホテルサービススタッフ、塾講師

移住後のお仕事

学童保育のお手伝いなどのアルバイト

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

私はシェアハウスに住んでいるのですが、気付いたら家の前に野菜がおいてあったりとかします。笑
(上記写真の立派なキャベツも、帰って来たら置いてあったそうです)
 
お母さんが働いていておばあちゃんこだったので、おばあちゃんとお話しするのは楽しいです。
 
おばあちゃんが亡くなったときに何もしてあげられなかったという後悔みたいなものがあって、だからお年寄りになにかしてあげたいなと。それで、特に一人暮らしだったらぜったい寂しいと思うから、顔を出すだけでも役に立てるなら、と思っています。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

車に乗っていてもちょっととめて挨拶したり、とかそういう日々のさりげない交流が大切だと思います。

「移住するたびに、帰れる実家みたいな場所ができる」

DSC_4883

井筒耕平さん、木綿子さん
移住元→先

東京→岡山県備前市→岡山県美作市→岡山県西粟倉村

移住した年月

2011年8月(岡山県美作市への移住)

移住したときの家族構成

耕平さん(36歳)、妻:木綿子さん(27歳)

移住前のお仕事

自然エネルギー関連会社員

移住後のお仕事

耕平さん:自然エネルギー関連会社員→起業(村楽エナジー株式会社)、木綿子さん:夫婦ユニットmenpei

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

想像していたほど難しくはないです。
何度か引っ越していくつかの田舎を経験していますが、地域によって様々だったりもします。
 
一つ言えることは、田舎では自分のためだけに生きていくことはできないということ。
ご近所付き合いや他の人のために使う時間が多くなります。
 
でもそれによって失うことよりも得るものの方がずっと大きいと思います。
移住するたびに、帰れる実家みたいな場所ができてくるよさは、何事にも代え難いものがあります。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

「断らない」ということかな。
何かをいただくときとか。
 
あとは、子供がいると喜ばれる事が多いと思います。
 
ずーずーしすぎず、遠慮しすぎない。笑
 
私たちは、子供を見てあげようかと言っていただいたら、遠慮なく遊ばせてもらったり預けたりしています。
でも、どこまで甘えていいのかな?っていうのはちゃんとわきまえなければいけません。

「頼りになる大先輩が増える、という感覚」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|山本夫妻

山本敦史さん、宇治(山本)侑香さん
移住元→先

大阪→ベルギー→岡山県美作市

移住した年月

2012年10月

移住したときの家族構成

山本敦史さん(28歳)、妻:侑香さん(28歳)

移住前のお仕事

敦史さん:ジュエリーデザイナー、侑香さん:テキスタイルデザイナー(会社員)

移住後のお仕事

敦史さん:ジュエリーデザイナー、野菜の販売、製材所勤務、ブライダルプロデュース
侑香さん:プロダクトデザイン(民芸新時代)、グラフィックデザイン、刺繍オーダー

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

(敦史さん)
楽しいですよ。
 
でも慣れるまでは意識的にしないとうまくいかないと思います。
行ったり来たりして成り立つコミュニケーションですから。
待っていてはだめですね。
コミュニケーションをとればとるほど「こうした方がいいよ」「ああした方がいいよ」というアドバイスもいただけます。
 
例えば、家で食べきれない分を持っていったりすると、倍になってかえって来たりして。笑
その上、違う世代の人と話をする機会も増えて楽しいですし。
 
田舎では年上の人でもかしこまる必要がないのがいいところ。
頼りになる先輩です。
 
(侑香)
そうそう、頼りになる大先輩が増える、という感覚が近いかもしれません。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

まずはとにかく挨拶!
ちょこちょこ家の周りを掃除したりすると近所の方と接する機会も増えますよ。
 
いっぱいもらいものがあるときはお裾分け。
余分に作ったときもお裾分け。
 
あとは基本的なことですけど、地域の会合に出るとか。
近所の方にアドバイスしてもらった事はすぐにやるとか。

「子供が遊んでいるのを見るだけで喜んでもらえる」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|鈴木家ポートレート

鈴木宏平さん・菜々子さん
移住元→先

東京→岡山県西粟倉村

移住年月

2011年8月

移住したときの家族構成

宏平さん(27歳)、妻:菜々子さん(27歳)、長男:日向くん(6歳)、次男:朔くん(11ヶ月)

移住前のお仕事

宏平さん:デザイナー、菜々子さん:主婦・パート

移住後のお仕事

宏平さん:デザイナー(nottuo)、菜々子さん:染織家(ソメヤスズキ

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

良好です。
過疎が特に進んでいる地域だということもあると思いますが、地元も移住者も関係なく地域を守る一員として寛容に受け入れてもらっています。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

とりあえず地域の集まりには顔を出すことだと思います。
 
あと小さい子供がいると歓迎されますよ。
子供が遊んでいるのを見るだけで喜んでもらえますから。
 
それと、これは裏技ですが、愛想のいい奥さんを持つ!笑
奥さんがイベントごとの準備や片付けに積極的に参加したりすると仲良くなる機会も増えますからね。

「居心地がいいです」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|能登美代ポートレート

能登美代さん
移住元→先

埼玉→岡山市→岡山県美作市

移住年月

2012年6月(美作市への移住)

移住したときの家族構成

夫:能登大次(37歳 ※本稿著者)、妻:美代さん(33歳)、長女:菊花ちゃん(1歳)

移住前のお仕事

デザイナー(能登夫妻

移住後のお仕事

主婦、時々デザイナー

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

今住んでいるところは田舎のわりには都会的な地域で、いまのところそんなに深いご近所付き合いはないんです。
なのでご近所付き合いにまつわるディープな問題もなく、居心地がいいです。
住む地域によってぜんぜん違うんだなーと思いました。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

入り込みすぎず、離れすぎず。
自然体でいいんじゃないかな。
基本的な挨拶とかを、ちゃんとしていれば。

「ものの交換で人間関係を作っている」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|藤井ポートレイト

藤井裕也さん
移住元→先

岡山県岡山市→岡山県美作市

移住した年月

2012年4月

移住したときの家族構成

独身

移住前のお仕事

大学院生

移住後のお仕事

地域おこし協力隊

田舎のご近所付き合い、実際どうですか?

みなさんひとなつっこいし、とてもあたたかいです。
 
でも反面、厳しい側面もあって、忙しくて関係が疎遠になるとうまくいかなくなったり・・・ということもあります。

ご近所付き合いを上手にこなすコツを教えてください

よくしゃべることでしょうか。
あとは、もらったりあげたり、っていうコミュニケーションが大切だと思います。
ものの交換で人間関係を作っているようなところがあるので。

 


 

さて、「移住者のリアルボイス」いかがでしたか?
 
田舎暮らしではとかく問題にになりがちな「田舎のご近所付き合い」ですが、今回インタビューしたみなさんは、特に問題なく良好な関係を築いているようですね。
みなさん、都会とはマナーが違うということを十分理解して、押さえるべきところを押さえている、という印象です。
 
でも考えてみれば、みなさんが挙げているキーワード「挨拶」「もらったらお返しをする」「地域の集まりには参加する」などは、当たり前と言えば当たり前のこと。
そう考えると、田舎のご近所付き合いは難しいと世間では言われていますが、都会のご近所付き合いが簡単に(淡白に)なりすぎている、というのが本当のところなのではないでしょうか。
だから、当たり前のことができていれば、田舎のご近所付き合いを過度に心配する必要はないかもしれませんよ。
 
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能登 大次

山村クリエイティブディレクター 1974年生、仙台出身。2005年、妻とともにプロダクトデザイングループ「能登夫妻」を立ち上げ、企画から生産まですべて自分で行うセルフプロダクションのスタイルで活動。 2012年4月、中国山地の山村「梶並」へ電撃移住。美作市地域おこし協力隊の一員として農・林・移住促進事業・地域商品開発・地元高校の講師などなど東奔西走しながら、妻と小さな娘とおてんば犬との田舎暮らしを満喫中。 >この著者の記事一覧

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