田舎暮らしもいいけど仕事は?|移住者10人が明かす田舎の仕事事情


「田舎暮らしもいいな」と思ったときに、気になるのはやっぱり「仕事」ですよね。
 
田舎にはオフィスビルとかないですし・・・
田舎には仕事がないからこそ、人口が都市に流出しているんだし・・・
 
でも聞くところによると、最近は定年後の田舎暮らしではなくて、若い人の田舎暮らしが増えているそうです。
そういう人たちは、仕事はどうしているのでしょうか?
農業?林業?それ以外の仕事ってあるのでしょうか?
 
そこで今回は、田舎に移住した10人にインタビュー。
彼ら自身の田舎での仕事のこと、そしてそもそも田舎には仕事があるのか?どんな仕事があるのか?など気になる質問をぶつけてみました。
 
もし自然に囲まれた理想的な環境の中で、しかもちゃんと仕事も収入もあって、幸せに田舎暮らしができるなら・・・
なんとなく憧れていただけの「田舎暮らし」が、ぐっと現実味を帯びてくるかもしれませんよね。
 
というわけで移住者のリアルボイス、じっくりご覧ください!!

「移住してからの方が仕事が増えました」

鈴木家ポートレート

鈴木宏平さん・菜々子さん
移住元→先

東京→岡山県西粟倉村

移住年月

2011年8月

移住したときの家族構成

宏平さん(27歳)、妻:菜々子さん(27歳)、長男:日向くん(6歳)、次男:朔くん(11ヶ月)

移住前のお仕事

宏平さん:デザイナー、菜々子さん:主婦・パート

移住後のお仕事

宏平さん:デザイナー(nottuo)、菜々子さん:染織家(ソメヤスズキ

田舎に移住してからの仕事は?

(宏平さん)
東京にいた頃からウェブサイトなどのデザインをしていましたが、こちらに移住してからは、ウェブのデザインだけでなく企画からコピーまでトータルに関わらせてもらうことが多くなりました。
 
意外にも・・・こちらに移住してからの方が仕事が増えています。
東京にいた頃からのクライアントさんともお仕事を続けていますが、今では移住後の新しい仕事が9割くらいになっています。
 
(菜々子さん)
私は東京では主婦でしたが、こちらに移住してから染織家として起業しました。

田舎に仕事はありますか?

(宏平さん)
あります!
 
ただ・・・本人次第というところはあると思います。
潜在需要がある、と言った方が正しいかもしれません。
 
一つの仕事でしっかり成果を出して信頼関係を築く事が大事だと思います。そうするとクライアントさんとの関係が長く続きますし、口コミで次々に広がっていきます。
 
それから、トータルで引き受けられる方が田舎では重宝されると思います。都会なら部門ごとに頼める専門家がたくさんいますけど、田舎ではなかなかそうもいかないので。

「与えてほしい、というタイプの人は・・」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|山本ポートレート

山本敦史さん
移住元→先

大阪→ベルギー→岡山県美作市

移住した年月

2012年10月

移住したときの家族構成

山本敦史さん(28歳)、妻:侑香さん(28歳)

移住前のお仕事

ジュエリーデザイナー

移住後のお仕事

ジュエリーデザイナー、野菜の販売、製材所勤務、ブライダルプロデュース

田舎に移住してからの仕事は?

もともとやっていたジュエリーデザインの仕事を続けていて、それが3割くらいでしょうか。
 
こちらに移住してからは、地元の農家さんから野菜を仕入れて大阪に販売に行ったり、受注したお米や野菜を都会のお客さんに送ったりという野菜の販売の仕事を始めたのですが、それが3割くらい。
 
残りの4割くらいは、製材所に勤めることで安定収入を確保しています。
 
さらに今年は、田舎でのブライダルのコーディネートを始めるため準備を進めています。

田舎に仕事はありますか?

そうですね・・「作れば」あります。
素材はあるけど、それを仕事にするには少し想像力が必要な気がします。
 
なので個人的には、田舎でもできるような仕事をある程度持って移住して、そして移住後に仕事を作れる、という人に移住をお勧めしたいかな。
何もできなくて与えてほしいだけの人が来ても、正直厳しいんじゃないかなと思うので。
 
田舎に移住者がもう少し増えてきて、仕事も増えてきて受け皿がある状態になってからであれば、受け身の移住もしやすくなるかもしれませんけど。

「仕事は作ればいくらでもあります」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|宇治

宇治(山本)侑香さん
移住元→先

大阪→ベルギー→岡山県美作市

移住した年月

2012年10月

移住したときの家族構成

侑香さん(28歳)、夫:山本敦史さん(28歳)

移住前のお仕事

テキスタイルデザイナー(会社員)

移住後のお仕事

プロダクトデザイン(民芸新時代)、グラフィックデザイン、刺繍オーダー

田舎に移住してからの仕事は?

移住前から請け負っているテキスタイルのお仕事が今でも1割くらいありますが、9割くらいは移住してから始めた仕事に時間を割いています。
 
田舎の資源を生かしたもの作りのブランド「民芸新時代」を立ち上げたり、地域のイベントなどのチラシやポスターなどをデザインする仕事をいただいたり、刺繍のオーダーを受けたりしながら、今年は古民家を改修したカフェ&ショップをオープンする予定です。

田舎に仕事はありますか?

仕事はあると思います。
 
ちょっとしたパートのお仕事とかもあったりします。
でもそれだと田舎に来る意味があんまりないのかな?
 
あと、、仕事は作ればいくらでもあります!

「田舎で自然エネルギー関連会社を起業」

DSC_4883

井筒耕平さん、木綿子さん
移住元→先

東京→岡山県備前市→岡山県美作市→岡山県西粟倉村

移住した年月

2011年8月(岡山県美作市への移住)

移住したときの家族構成

耕平さん(36歳)、妻:木綿子さん(27歳)

移住前のお仕事

自然エネルギー関連会社員

移住後のお仕事

耕平さん:自然エネルギー関連会社員→起業(村楽エナジー株式会社)、木綿子さん:夫婦ユニットmenpei

田舎に移住してからの仕事は?

(耕平さん)
東京で勤めていた自然エネルギーのコンサルティング会社の関連会社が、岡山県備前市で立ち上がる事になったのをきっかけに移住したので、備前市では会社員でした。
 
その後、美作市地域おこし協力隊として美作市上山地区に移住。協力隊員中に「村楽エナジー株式会社」というコンサルティング会社を起業しました。

田舎に仕事はありますか?

(耕平さん)
あると思いますよ。
 
特に公共事業は人材不足なので、土建業などの仕事は多いですし、電気などの設備系の仕事ができる人は重宝されると思います。
保育士も足りていないようです。
 
あとは、田舎ならではの個人的な請け負い仕事もたくさんありますし。
農作業や山仕事など。

「地域の困りごとを仕事にできる」

田舎への移住を決意した理由は?|田舎移住者10人に聞く!|桑田聡志

桑田聡志さん
移住元→先

広島県廿日市市→岡山県奈義町→岡山県美作市

移住した年月

2012年9月

移住したときの家族構成

独身(24歳)

移住前のお仕事

会社員

移住後のお仕事

地域おこし協力隊

田舎に移住してからの仕事は?

奈義町の地域おこし協力隊を経て、今年からは美作市の梶並地区でNPO法人「山村エンタープライズ」を立ち上げ、理事の一人として活動しています。

田舎に仕事はありますか?

農作業の請け負いや、地域の困りごとに対してのケアなど、いろいろ仕事はあります。
過疎化や高齢化が進んでいるということは、その分困りごとも多いという事ですし、さらには利用できる資源もたくさんあるということだと思います。
 
ただ、「雇用」はあまりないかな。笑

「こだわらなければ・・・」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|武中

武中今吹さん
移住元→先

東京都→岡山県美作市

移住した年月

2014年3月

移住したときの家族構成

今吹さん(26歳)、長男:太郎くん(6歳)、長女:いろはちゃん(3歳)

移住前のお仕事

エステティシャン

移住後のお仕事

農業

田舎に移住してからの仕事は?

農家さんのお手伝いをさせてもらっています。
主に・・・草刈りですね。
 
でもゆくゆくはお料理関係の仕事がしたいと思っているので、そろそろ準備を始めたいなと思っています。

田舎に仕事はありますか?

こだわらなければ結構ありますよ。
農業のお手伝いとか、定食屋さんのお手伝いとか。

「田舎は自営業もやりやすい」

田舎暮らし|移住者のリアルボイス|井上ポートレート

井上直美さん
移住元→先

山形県酒田市→岡山県美作市

移住した年月

2013年3月

移住したときの家族構成

直美さん(34歳)、長男(中学生)、長女(小学生)

移住前のお仕事

辻占い師

移住後のお仕事

辻占い師(inhome

田舎に移住してからの仕事は?

田舎で新しい仕事を作るために準備中ではあるのですが、まずは子供のことを優先しています。

田舎に仕事はありますか?

仕事はあります。
 
例えば地元の農家さんは手が足りてないのが現状です。
ただ農業の場合、忙しい時期と仕事がない時期がはっきりしているので、通年で安定して雇っていただける訳ではないというのが難しいところですね。
 
また田舎は、自営業もやりやすいと思います。
競争相手も少ないですし。

「高齢化地域は若い働き手が不足している」

田舎への移住を決意した理由は?|田舎移住者10人に聞く!|藤井裕也

藤井裕也さん
移住元→先

岡山県岡山市→岡山県美作市

移住した年月

2012年4月

移住したときの家族構成

独身(24歳)

移住前のお仕事

大学院生

移住後のお仕事

地域おこし協力隊

田舎に移住してからの仕事は?

美作市地域おこし協力隊として3年間活動し、今年からはNPO法人「山村エンタープライズ」を立ち上げて代表として引き続き田舎に住みながら地域の活動をしています。

田舎に仕事はありますか?

あります。
 
実際ここ梶並(岡山県美作市)では、私たちが「山村ハローワーク」と名付けて地域の農業補助などの仕事情報を集約し、山村シェアハウスの住人たちがそれを請け負う形をとっていますが、仕事が足りないのではなく、人手が足りない状況です。
 
高齢化が進んでいる地域であればあるほど若い働き手が不足しているはずなので、全国的に田舎では似たような状況にあるのではないかと思います。
 
ただ、このように仕事の情報が集まるようになるには、まず地元からある程度の信頼を得なければなりませんので、地元の信頼と仕事とはセットではないかと思っています。
 
そして一番の問題は、冬です。苦笑
農業や草刈りなどの仕事は春夏が農繁期なので、冬にはぱったりと仕事がなくなります。
 
ただ冬でも、雪かきや除雪機の運転などの請け負い仕事はあります。
また、山村地域ならではの手仕事やミツマタ(和紙やお札の原料)、シキミ(葉をお墓に供える樹木)、炭焼きなど、昔から地域で冬に行われてきた仕事が、「素材」としてあったりもします。
ですので冬でも選ばなければ仕事はあると思います。
 
でも田舎に来る人は基本わがままですからね。笑
もちろん自分のやりたい事をやるために来る訳ですから、それはあたりまえの事で。
だから上記のような稼げる仕事の中で、自分に合う仕事を選ぶなり、素材を自分なりにカスタマイズして仕事にするなり、というのがよいのではないでしょうか。
 
そういう状況を考えると、「定年後の田舎暮らし」ではなくて、若い人にこそ田舎に移住してもらいたいと思います。

 


 

さて、「移住者のリアルボイス」いかがでしたか?
 
意外にもほとんどの方が「仕事はある!」と答えていますし、中には移住後の方が仕事が増えたという方も。
ただ同時に、自分で積極的に動いて地域からの信頼を得たり、自分で仕事を作ったり、ということができないと厳しそう、というのも現実のようです。
「安定収入・終身雇用でのんびり田舎暮らし」という虫のいい話は・・・難しいのかもしれませんね。笑
 
先達たちのリアルな声を聞いて、田舎暮らしへの思いが一層強くなってしまったら!田舎への入り口として私たちが提供している「山村シェアハウス」(岡山県美作市)、ぜひのぞいてみてください。
 
また、田舎の資源や技術などを掘り起こして販売している「民芸新時代の直販店」もぜひご覧ください!


能登 大次

山村クリエイティブディレクター 1974年生、仙台出身。2005年、妻とともにプロダクトデザイングループ「能登夫妻」を立ち上げ、企画から生産まですべて自分で行うセルフプロダクションのスタイルで活動。 2012年4月、中国山地の山村「梶並」へ電撃移住。美作市地域おこし協力隊の一員として農・林・移住促進事業・地域商品開発・地元高校の講師などなど東奔西走しながら、妻と小さな娘とおてんば犬との田舎暮らしを満喫中。 >この著者の記事一覧

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4 Responses

  1. 林 弘之 より:

    サイト内拝見させていただきました。l
    私が住んでいるのは長野県ですが、親が高齢となり田畑をまだやりたいようなのですが、危なくて不安です。
    田舎で働きながら米、野菜を作りたいという方探しています。

  1. 2015年2月10日

    […] EdgeCamp 2014 | 過疎地域特化型・起業家養成プログラム超豪華講師陣を迎えての起業家養成プログラム。僕の知っている人だけでもナリワイ伊藤さん、小豆島のポン真鍋さん、プロブロガーのイケハヤさんと、凄すぎます。こんな人たちから地方での仕事作りを学べるなんて…。二度とない機会かもしれないです。興味ある方、エントリーすべし! 日本の良さを全世界へ同時に届けていく上で大切な事は、外国人に迎合しないこと。 | 隠居系男子気づかなかったけど、読んで納得させられた記事。と同時に海外へのPRはまだまだできていない感触。鶴岡市内でも『海外』というキーワードは滅多に聞かないかな。   田舎暮らしを後悔していませんか?|田舎に移住した10人に聞く!十人十色。だけど、10人いれば一人くらい共感できる人がいるかもよ?僕は藤井さんの『若い子が少なくて寂しい』という言葉に共感しました。 田舎暮らしもいいけど仕事は?|移住者10人が明かす田舎の仕事事情一番気になるところに食い込んでくれています。仕事を作り上げたり依頼される具体的な過程が見えるともっといい気がするけど。   いでは堂 …身内PR。庄内のクリエイター集団、いでは堂さん。最近、picnicというフリーペーパーを刊行しました。 面白いのは、フリーペーパーで取り上げた地域の団体さんを巡るツアーを企画・実行したこと。単に媒体を通じて不特定多数の人に伝えるだけではなく、リアルと繋げる導線をしっかり作ったことが凄く価値あることだと思います。 紙媒体は読まれるだけのもの。観光案内は別の人がやる…では、メディアで熱量が伝わったとしても、現場を案内する人によって印象が悪くもなりかねない。そう言う意味で、フリーペーパー⇒リアルな体験を動線とした形式は凄くいいと思う。応援してます。 食産地と食卓を結ぶ こだわりの地域食産品発信【むすび】最後はゼヒゼヒ応援してほしいサイトです。東京で働いていた頃からの知り合いが、食産地と食卓をつなぐサイトをリリースしました。僕と真室川の協力隊が山形に来たことをキッカケに昨年の秋口に構想が始まり、約一年かけて完成したECサイト。 生産者の想いや産品へのこだわりがあることは勿論、協力隊のような人たちがオススメする商品を取り扱っています。僕も少し関わっていますので、ゼヒ応援お願いします。あと、本サイトのようなコンセプトに同意頂ける庄内の生産者さんもご紹介いただければ嬉しいです♪ これに関しては近々、別エントリー書きます。   5月から取り組んできた畑が少しづつ実をつけ始めてきました。最近は毎日きゅうりの収穫で、毎日きゅうりが食卓に並びます。少し飽きたかな…笑 でも、土いじってできた農作物は感慨深いものがあります。 あぁ、こうやって食べられるようになるんだーって。   当たり前かもしれないけど、土から芽が出て、実を作って収穫⇒調理⇒胃袋。というサイクルを実感できています。 自分で家庭菜園したところで食費は対して浮かないけれど、この実感は大切なように思えます。 参考:里山が教えてくれること~大切なのはお金を生み出すことよりも、消去すること~   せば、またのー。 […]

  2. 2016年5月31日

    […] >「若者が踊って暮らせる農山村」を目指している方のブログはこちら […]

  3. 2016年7月1日

    […] 田舎暮らしもいいけど仕事は?|移住者10人が明かす田舎の仕事事情 […]

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